儀式のうどん/大塚智穂

お正月ぶりに1週間ほど愛知の実家へ帰省していました。

毎朝母ちゃんの作る豆腐と油揚げの入ったお味噌汁を食べ、揚げたての油揚げをつまみ食いし、帰る前日には子供の頃から食べ親しんだうどん屋さんの味噌煮込みうどんを、かなり久しぶりに食べ大満足し、何と言っても『何もしなくてもごはんがある』ことに改めて感動した1週間を過ごしたのでした。

帰り際は92歳になるばあさまの熱烈なハグに、家族総出の見送りを受けながら実家を後にし、電車に乗り、新幹線に乗り、バスに揺られ、フェリーに乗り込む。

帰省では島とは全く違う時間が流れるので、帰島する際に乗船するフェリーで必ず「うどん」を食べます。島での生活に戻る儀式のような感覚で毎回うどんをすするのです。

そうそう、今回の帰省で1つ心残りだったのが、名古屋駅のホームにある立ち食いきしめんに寄れなかったこと。次回帰るときの楽しみにしておこう。

大塚 智穂

地元にある岡崎屋の「味噌煮込みうどん」。子供の頃から慣れ親しんだ味。

小豆島にアクセスできる全てのフェリーで「うどん」が食べられます。ただし、高速艇では食べられませんのでご注意を。

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