1度は食べなきゃ気が済まない栗ごはん/大塚智穂

子供の頃は好きでもなかったもの、いや、むしろ嫌いな部類に入っていた食べ物が、歳を重ねるにつれて好きになってしまったものの中に「栗ごはん」がある。子供の頃は「栗ごはん」の良さが全くわからなかった。お赤飯も同じだが、お赤飯も今じゃ「食べたい…」と思える食べ物に仲間入りしている。

産直で栗が出始めた。もう、ある種の病気だと思うのだけれど、栗を見かけると「栗仕事」をしなくてはいけない気がして仕方がない。シーズン通して何かしらそういった症状(味噌、梅、シロップ、栗、干し柿など)がでるのだけれど、栗の場合は毎年「渋皮煮」を仕込み、瓶詰めにして人にあげたりお菓子に使ったりする。それとは別で、栗を見かけたらまずは「栗ごはん」を作って食べなきゃ気が済まなくなってしまった。おかしな話、「栗ごはん」が格別好きだ!というわけでもない。旦那さんにいたっては、白ご飯を愛しているので「栗ごはん」は一口も食べない。となると、我が家では私しか食べない「栗ごはん」を、ただただ『1度は食べなきゃ気が済まない』為、作るのだ。というわけで、今シーズンも作ってみました「栗ごはん」

我が家の「栗ごはん」は2日がかり。

小豆島の栗、蒲さんの新米と御塩を使い、無水鍋で炊き上げる。

1、鬼皮を剥きやすくするために栗を水に漬けておく。

2、鬼皮を剥いた栗の渋皮を剥く。

3、少量のきび砂糖を溶かした水に栗を漬け一晩冷蔵庫へ。

4、洗った米の水を切り、分量の水を加え、少量の御塩を加え、水を切った栗をのせて炊きあげる。

去年との違いは、去年よりも自分自身が「栗ごはん」を好きになっていたことだった。『1度は食べなきゃ気が済まない栗ごはん』から『食べたいから作る栗ごはん』になったのだ。今シーズンはもう1度くらい「栗ごはん」を作って食べようと思う。

大塚 智穂

ちょっと剥き残しがあるけれど、良しとして炊いてみた。

やっぱりちゃんと剥ききった方がきれいな栗ごはんができますね。味は良かったので良し!

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