いちごいてごいちご/大塚智穂
小豆島ではハウスでのイチゴ栽培が盛んです。「女峰」という種類で、程よい酸味が特徴のとても美味しいイチゴです。イチゴの季節は春というイメージがありますが、ハウスのイチゴ栽培は11月中旬から6月までの8ヶ月間、毎日収穫し続けるのです。さらに、収穫が終ってからはいちごの育苗や植え付けなど、休む暇もほとんどないほど大変な仕事なのです。
小豆島に来たばかりの頃に知り合った藤原くんはいちご農家で、毎日毎日いちごと向き合い、私は藤原くんの育てたいちごが本当に美味しくて(本人は他のいちごとそんなに変わらないと言っていたが、私は絶対に藤原くんの育てたいちごが1番美味しいと思っている)、Twitterの彼のつぶやきを見るたびに、日々いちごに向き合っている姿を感じ、凄いなぁ偉いなぁと思っていた。そんな彼もお嫁さんをもらい、いちごの栽培量も増やし、夫婦で日々いちごに取り組む姿をみて、ひっそりと心から応援している。
先日そんな藤原くんに、長いこと借りていたものがあったので、いちごハウスまで届けに行った。すると、育苗シーズンの今の作業を見せてもらえることになった。6月まで収穫していたいちごは全て株を抜かれ、ランナーと呼ばれる苗を育てていた(写真はナイアガラ育苗と呼ばれている)。さらにランナーを収穫し、育苗するために必要な部分を残してポットに植えるという作業が待っている。その数19000株。19000株ですよ。桁が凄い。それを夫婦2人と少しのサポートでやってしまうから本当に凄い。
今年の初収穫は11月中旬だそうだ。収穫が始まったら更に休みもなく、ひたすらいちごと向き合う日々。本当に農家ってクリエイティブな仕事だなぁ、凄いなあと改めて思ったのだった。
大塚 智穂
ランナーがのびた状態(ナイアガラ育苗と呼ばれる)
ポットに植えるために、ランナーの不要なところは手で掻き落とす。すでに少し根が出ている。
ポットに移して3~4日目。もう少しすると根がしっかり張ってシャンとするらしい。
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