1滴のオリーブオイルができるまで/大塚智穂

いつの間にか春が終わり(春は極端に短くなっている気がする)、初夏の陽射しが降り注ぐ小豆島。今の時期、オリーブの木に目をやると、薄いクリーム色をしたビーズのような蕾がたくさんついているのが見られます。オリーブはモクセイ科で、しばらくするとその蕾が開き、金木犀のような小さな小さな花を咲かせます。

実は、オリーブは1本だけ育てていても実をつけることができません。オリーブが実をつけるには、他の品種のオリーブを一緒に植えて結実させる必要があります。小豆島で植えられているオリーブでよく聞くのは「ルッカ」「ミッション」「マンザニロ」「ネバディロ・ブランコ」です。最近は病気に強い新しい品種を植えているところもあるそうです。

さて、我が家にも「ミッション」と「ネバディロ・ブランコ」を各1本ずつ。隣り合わせで育てていますが、残念ながら今年は実がつきそうもありません。一方はたくさん花をつけてくれたのですが、もう片方のオリーブには花が咲かなかったので結実することなく花が落ちてしまうことでしょう。

オリーブの花が見られる時期は長くなく、お互いの開花の時期がずれてしまったり、花粉を飛ばす時期に雨が多く降ってしまったりすると、結実に大きな影響が出ます。それだけではなく、オリーブの実を収穫する10~11月までも、虫や病気、水不足、台風など、1滴のオリーブオイルができるまでの道のりはとてもとても長いのです。

大塚 智穂

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