ブロッコリーの子、子ブロッコリー/大塚智穂

産直で野菜を見ていると、通路にコンテナが直置きしてある。

なんだろうと近づいてみると、「詰め放題1袋100円」と書いて透明なビニール袋の束が置いてある。コンテナの中は緑の葉っぱでワサワサしている。よくよく見てみると、そのワサワサしている葉っぱの中に、小さなブロッコリーがいくつも顔を覗かせていた。

一般的なブロッコリーは1株に1つ大きな実をつけます。それを収穫すると脇から子どものブロッコリーにあたる子ブロッコリーが出てきます。子ブロッコリーは見た目は小さなブロッコリーなものもあれば、房を分けたような子ブロッコリーもあります。どちらも脇から出ていて、柔らかい茎、脇芽の葉っぱもついていて何とも美味しそうなやつなのです。そんな子ブロッコリーがコンテナにいっぱい入っていて、「詰め放題1袋100円」と書いてあるではありませんか。コンテナの状態を観察すると、脇芽の葉っぱは廃棄して子ブロッコリーだけを詰めた形跡が見られ、その量から推察するに、私の前には1~2人の人が利用したのではないかと思われた。声を大にして言いたい。子ブロッコリーはうまい。非常にうまい。なんなら普通のブロッコリーよりもうまいんじゃないかと思っている。1袋分、パンパンになるまで詰め込んだ。

収穫したばかりの子ブロッコリーは、塩を効かせたお湯でさっと茹でるだけで十分美味しい。今回は子ブロッコリーのスパゲッティに。たっぷり目のオリーブオイルに刻んだニンニクを入れ香りを移し、アンチョビも入れて香りを出す。スパゲッティを茹でている塩の効いた茹で汁を入れさらに煮詰め、アルデンテに茹でたスパゲッティをソースの入っているフライパンに入れ、火を入れながら和えていく。さっと茹でた子ブロッコリーを合わせ、器に盛り付ける。最後に黒胡椒を挽いてできあがり。子ブロッコリーとアンチョビのスパゲッティのできあがり。子ブロッコリーについている葉っぱも甘くてやわらかくて、茎もやわらかくて美味しいのです。子ブロッコリー、もし手にとる機会がありましたらぜひお試しくださいませ。

大塚 智穂

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