みそ味のおじや/大塚智穂

風邪をひきました。

ここ数年、この時期に風邪をひきます。

おそらく年末年始の疲れがどっと出てしまうのでしょうが、「やっぱり健康第一だ!」と、改めて気を引き締めてその後の日々を過すことになるので良しとしています。

子供の頃は、風邪をひいたら必ず「鍋焼きうどん」が出てきました。直火にかけられるアルミのケースに入っていて、手軽にできるやつ。それか、「みそ味のおじや」。みそはもちろん赤味噌で、色が濃い目のおじやです。食卓以外で食べられるので、格別美味しく感じたものでした。

3~4年ものの自家製みそが少し酸味が出て赤味噌のようになっていたので、久しぶりに「みそ味のおじや」を作りました。最後に卵とニラをいれて軽くクツクツしたらできあがり。ちょいと七味をふって食べ始めると、さらに昔のことを思い出す。

日曜の朝は「みそ味のおじや」を食べる日でした。

実家のおばあさんが土鍋でコトコト炊いて作る「みそ味のおじや」はそれは美味しかった。

なかでも、さつまいもと切り干し大根が入ったおじやが大好きで、鍋底のおこげ部分も、それはそれは美味しかったなぁと、自分で作った少し物足りない「みそ味のおじや」を食べながら思い出したのでした。

味や匂いでフッと昔の記憶がよみがえる事があります。

懐かしい記憶は頭の片隅にしまわれているけれどちゃんと残っている。

手をかけて料理をするということは、食べるということだけではなくて、沢山の思い出にも繋がるんだなあと改めて思ったのでした。

大塚 智穂

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