お赤飯/大塚智穂

産直に栗が並びだすと買わずにはいられない。

栗ごはん、渋皮煮は作らないと気がすまない。

今回はお赤飯に栗をのせて蒸し上げることに。

お赤飯の準備は前日から。

栗は渋皮まで剥いて少量のきび砂糖とお水に漬けて一晩置く。

もち米も洗い、茹でたお豆のお汁に一晩漬けておくと、翌朝にはもち米がほんのり赤くなる。蒸気のあがった蒸し器に大きめの蒸し布を敷いて水気を切ったもち米を入れて強火で蒸す。途中ボウルにとって御塩(ごえん)を入れたお豆のお汁を混ぜ込み、蒸し器に戻し、お豆と栗をのせて一気に蒸し上げます。手間はかかるけれど難しいことは一つもなくて、食べてくれる人たちの顔を思い浮べながら作ります。

ふっくら蒸しあがったお赤飯。

蒸しあがりを確認するために一口食べてみる。

もちもち。

ホコホコ。

やっぱり美味しい。

御塩であわせたごま塩をひとふり。

あぁ、これまた美味しい。

小豆島で作られたお塩の「御塩(ごえん)」は、美味しいのはもちろんのこと、名前が本当に素敵で、良い御縁に恵まれますようにとの想いを込めて、お赤飯には必ず御塩のごま塩をつけます。

蒸しあがったお赤飯は、お持ち帰り用の大きめの入れ物によそい、栗をのせ、庭から採ってきた南天の枝をのせる。そして、ごま塩はおめでたい達磨のポチ袋に入れて。

小豆島に暮らす友人宅に4人目の赤ちゃんが産まれました。お赤飯を届けると、お兄ちゃんが小さな赤ちゃんを抱っこしていました。あぁ、おにいちゃんも赤ちゃんもなんてかわいいんだろう。4人も兄妹がいたら賑やかで楽しいだろうな、ケンカもいっぱいしながら大きくなっていくんだろうな。きっと両親は子供たちが大きくなるまで大変だけど、幸せな時間がそれはそれはたくさん待っているんだろうな~と、私もホコホコした気持で帰路につくのでした。

大塚智穂

0コメント

  • 1000 / 1000