好気発酵のコンポスト その4/小坂逸雄
毎朝送られてくるおっちゃんからの堆肥温度報告メール(温度計の写真付き)をたのしみしている今日この頃。牛糞堆肥・米ぬか、窒素分を添加した三日目に温度は70℃台に突入し、それを三日間キープした。四日目の朝に60℃台に下がったという報告を受け堆肥の切り返しをその二日後に設定した。切り返しというのは、要は堆肥の攪拌作業のこと。これをしないと堆肥は嫌気発酵をしてしまうからだ。
切り返しの朝。60℃台になったとはいえ、容器に被せていた蓋を外すとふんわりとした熱を頬に感じた。大きいフォークみたいな道具でコンポストの空いた半分のスペースに稲ワラを移していく。湯気はその作業中、終始立ち込めている。ところどころ色の違いや水分量の違いを感じたけど、それを均一にするためのこの切り返し作業なんだろうということが作業をしながらよくわかった。堆肥づくりのレシピによれば、切り返し時に放線菌という白い部分が発生しているとのことだったが、その放線菌は思っていた以上に見受けられた。これはいい感じなのでは?と堆肥の状態に期待が高まる。
湯気を浴びながらの作業は約一時間ほどで終了。それでも慣れない作業だったので、そんな作業を知らないボクとおっちゃんの筋肉は、たった一時間のクセに疲労が激しかった。単純な労働ではあったけど、ここ最近では味わわなかった心地よさを感じつつ、堆肥づくりにホクホクと募っていた期待は疲労感によってしっかりと体感することができた。
この堆肥づくりは、こういう温度や状態の変化だったりが気持ちいいテンポで進行していくので小気味がいい。ひとまずは無事に発酵が進んでくれたことにもひと安心できた。この切り返し後にはまた温度が70度台にあがるんだそうだ。だいじょうぶかなー、どうかなー、うまくいくかなー。このどうなるかわからない感じがまた、明日を迎えることのたのしみだったりするのだ。
小坂逸雄
しっとりとした稲ワラに白く見えるのが放線菌。わかりにくいけど、湯気はこの十倍は吹きだしているくらいの勢いだった(ボクのメガネが曇ったせいでそう見えたのかもしれないけど)。
小坂逸雄
東京出身、小豆島在住。
2020年4月現在、高松にて養蜂の修行中。
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