野良ゴーヤ/小坂逸雄

雑草の駆除に目覚めてから早一ヶ月。雑草オンシーズンとなる梅雨本番を迎えるまでに、目の敵としていたスイバ(か、ギシギシ)からはじまり、無数に生い茂る雑草を調べ駆除方法を調べている。柳宗民よろしく畑に行っては覚えた雑草の形と名前をたのしみつつも、やはり内心はそんなに優雅であるはずがないのだ。さて今日はどこの雑草を刈り取ろうかと見渡すと、ふと、とある一角に気になる芽が生えていることに気が付いた。どうもウリ科っぽい葉の形をしている。去年そこにはゴーヤを植えていたので、ひょっとしてそいつか?と思い何日か観察を続けていると、やはり案の定ゴーヤだった。こぼれ種で生えてくるのは赤紫蘇を期待していたのだけど、まったく意外にも赤紫蘇は顔を出さず、思いがけず出現したゴーヤはお得感もあってうれしかった。ネットを設置して蔓を誘引したのが3株だったのだけど、また最近になってまぁまぁな量が発芽しはじめている。きちんと育ってしまうと一株から100個以上採れるという説を聞いたので、10株あるこぼれ種ゴーヤはまさかこの夏、1,000個以上収穫できてしまうのではないか。うれしいような、面倒くさいような気持ちになる。でもせっかくだからそんなことになるのかどうか、試してみようかと思う。雑草とゴーヤとに追われ、今年の夏もあっという間に過ぎ去ってしまいそうだ。

白マル=ゴーヤ 赤マル=スイバ(か、ギシギシ)




小坂逸雄
東京出身、小豆島在住。
2020年4月現在、高松にて養蜂の修行中。

0コメント

  • 1000 / 1000