宣たより2/渡辺宣
・2017年7月23日
公子さん甲賀さんこんにちは。
バス停に向かっています。
お昼まで梅雨空でした。
雲が低いところを流れています。
背中の方からじわっと暑くなってきました。
歩道のアスファルトに日の光があたっています。
蒸してきました。
バス停の待ち合わせまで時間がありました。
途中の図書館に寄りました。
図書館の裏口前を通ります。
胡瓜の葉が絡まったネット、ばらの鉢。
トマトの黄色い花と青と赤の実がみえます。
プランターに4、5本は植わっています。
図書館の全集コーナーで本を見ました。
梶井基次郎三巻を手にとりました。
書簡が収まっています。
療養している温泉地のこと。
亡命のような気持ちで逗留していること。
お風呂場で子供に懐かれること。
山葵のこと。
京都にいる友人にお茶と羊羹を送ってほしいと書いていること。
窓の外は太陽が傾いてきました。
寄り道は終わりです。
図書館からパン屋へ急ぎます。
団地の前庭はあじさいです。
公園を囲うくちなしの花は萎れています。
歩道にはみ出している百合の花。
日陰に静かに咲いています。
豆パン、クロワッサン、豆乳クリームパン、フォカッチャを買いました。
バス停に文ちゃん来ました。
文ちゃんもあんパン、芋パン等買ってきました。
バスの中で食べるには十分です。
バスに乗りました。
京都に行きます。
ガラス窓から熱い陽射しが入っています。
山を抜けて海が見えてきます。
小さな島と船が何艘か浮かんでいます。
湾に家々の屋根、半島に森が見えます。海に架かる大橋を渡り、丘の様な山の間を行きます。
竹林と民家、開けると水田と畑、玉ねぎ倉庫です。
とうもろこしも植わっています。
もう一つの大橋を渡るころ、二人でパンを食べました。
京都の朝ごはんはホテルの部屋で食べます。
町歩きでパン屋に寄りバゲットやライ麦パンなど買います。
スーパーマーケットでパンに挟む野菜を買います。
パン用ナイフ、紅茶、日本茶、インスタントコーヒー、塩、梅干し、味噌、
シリコン折りたたみの器と皿、オリーブ油を家から持っていきました。
レタス、マッシュルーム、大葉、きゅうり、チーズは切ります。
ミニトマト、かつおフレ―ク缶もお皿にだします。
バター、ヨーグルト、あんこの和菓子もならべます。
器に味噌と海藻と切り干し大根を入れてお湯を注いで味噌汁を作ります。
二人のいつもの朝です。
・2017年7月24日
公子さん甲賀さん 京都に行ってきました。
祇園祭の山鉾と道々で出会います。
飾り付け、組み立てに人が慌ただしく動いています。
お風呂場の湿度の中で歩いているような気候です。
たくさん汗をかきました。
バスや電車を使わないで歩いて廻ります。
歩くことが第一でその休憩にコーヒー屋さんと本屋さんが入ります。
一日で何軒も行くのでコーヒー巡礼旅のようです。
ぼくはコーヒーは好きですがコーヒーだけを何杯も重ねられません。
文ちゃんはコーヒーを水のように飲めます。
三軒目からぼくはジュースになります。
今回はクールダウンのためにコンビニでも休憩を入れました。
そこでも文ちゃんはアイスコーヒー、ぼくはスポーツドリンクでした。
京都から帰ってくると空は高く、青空が澄んでいます。
畑の生け垣に無数のセミの抜け殻がついています。
畑の土の中から上がってきています。
成虫になって止まる木がありません。
どこかへ飛んでいったのでしょうか。
裏山で朝と夕方セミが鳴いています。
夜遅くなるとコオロギの鳴く音が聞こえます。
ドアをあけると廊下にカナブンがじっとしていたり、
カミキリムシが螺旋階段に羽を広げていました。
階段の手摺りにクモの巣が急に増えました。
散歩道の建物の軒下にツバメの巣がありました。
暫くぶりに通りました。
道の下に糞は落ちていましたが、巣の中にヒナはいません。
巣立ちです。
草で覆われていた大学の敷地の草刈りが始まりました。
その草むらからちょこっと顔を出していた猫がいなくなりました。
街路樹を通る人がまばらになりました。
セミが鳴き続けています。
ヘチマとそうめん瓜(錦糸瓜)を食べました。
徳島の美馬の野菜です。
ヘチマは中の繊維も柔らかい若いものを食べます。
味噌煮にします。
皮をむいて、輪切りにします。韓国カボチャも輪切りにします。
種も食べます。
鰹出汁に味噌を溶き入れます。
濃い味噌汁にします。
煮立てヘチマと韓国カボチャと豆腐を入れます。
ヘチマに味噌が染み込んだら火を止めます。
煮すぎるとヘチマは溶けます。
そうめん瓜は切って種を掻き出します。
切った瓜を茹でます。
身が竹串で刺して通ったら冷水に入れます。
冷やしながら手で中身をほぐしとっていきます。
麺状のサクサクしたものです。
酢の物にします。
水気を切って戻した切り干し大根と水煮したえのき茸とまぜます。
酢、レモン汁、塩、からしで味を調えます。
一年ぶりの味はいつも新しい気持ちになります。
ヘチマは、きっと今年これで食べ納めです。
渡辺宣
1972年生まれ。小豆島居住後ただいま移動中。
町歩きと畑と台所が直結してる。
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