HOMEMAKERS/大塚智穂

小豆島の肥土山という農村地区に、農家カフェをしている『HOMEMAKERS』がある。私たちと同じ2012年に、愛知からお爺ちゃんの家のある小豆島に移り住み、畑をしながら古民家の改装、カフェの準備、それ以外にも色々なことに挑戦している三村一家。2017年2月22日でHOMEMAKERSカフェは3周年を迎えた。

カフェの営業は金・土のみの週2日。しかも、1月~2月中旬までは長期休暇(カフェが休みなだけで、畑の準備やら環境のメンテナンスやらで日々忙しい)を取っているにも関わらず、久しぶりの営業となった3周年目の初日では、HOMEMAKERSカフェの再開を今か今かと待ち構えていた人達で、席はすぐにいっぱいになった。

HOMEMAKERSの主、拓ちゃんの名古屋弁にはいつもホッとさせられるし、奥さんのひかりちゃんも、いつも朗らかでかわいくて楽しい人だ。そんな2人を見ていると、お客さんはHOMEMAKERSのごはんが食べたいだけでなく、三村一家に会いに来ていることがわかる。私は「ここがカフェになるの?へえ~!」という時期から知っているのだけれど、「場所」というのは一朝一夕で出来ることではない。時間をかければ出来るということでもなくて。やっぱり人だと思う。この人達だからこそ、この場所は出来たんだと思うとしみじみと凄いなあと思った。

私は昨年の秋からカフェで使う焼き菓子を作らせてもらっている。納品の時に休憩用のおやつを差し入れると、「このキャベツ、甘くてでら旨いに。食べやぁ」という具合に、お野菜と物々交換みたいになることが多い。さて、拓ちゃんオススメのキャベツを家に連れて帰って早速調理。洗ったキャベツを一口大にちぎって、塩を多めに入れたお湯でさっと茹でてザルにあげる。温かいうちにひとくち。

「あまっ!!!うまっ!!!うまっ!!!」

軽く塩茹でしただけなのに、続けてふたくち、みくちと食べてしまう。…もうこのまま食べ切ってしまおうか。いや、いかんいかん。。。残りのキャベツをボウルにあけ、御塩とごま油、すりおろしたニンニクでさっと和える。肉厚だけどやわらかくて甘い甘いキャベツ。これならどんぶり一杯でも食べられそう。

作った人の顔が浮かぶ食材が身近にある暮し。

当たり前なようだけど、すごく贅沢だ。

大塚 智穂

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