節分/大塚智穂

島で最初の節分は2013年。

家の鍵を開けたまま少し不在にして戻ると、玄関の棚の上に、袋に入った「恵方巻き」が置かれていてかなりびっくりした。この年は、島へ越してきた若い夫婦(そんなに若くないけど)にと、日頃から私たちのことを気にかけてくだすっているご近所さんがそれぞれ「恵方巻き」をもってきてくださり、フルサイズの恵方巻き3本と闘うこととなった。それ以来、我が家は必ず誰かに「恵方巻き」をいただくので、4日も引き続き「恵方巻き」を食べることになるのだった。

今回5回目の節分になる。前日からかんぴょうと干し椎茸を水で戻しておき、翌朝、甘辛く炊いて馴染ませるためにそのまま置いておく。夕方、買い物を終えて帰宅し、車から家の中へ荷物を移すために車の鍵を開けっ放しにしていた。数往復のあいだ、10分程度そのままにしていたら、なんと、車内に「恵方巻き」がこつぜんと置いてあった。さすがにびっくりして思わず「おぉ?!」声をあげた。今年いただいた「恵方巻き」はその1本だけだったので、準備をしていた我が家の恵方巻きもちゃんとその日のうちに食べることができた。かんぴょう、椎茸、穴子、卵、きゅうりがなかったので、いただきものの人参とプランターで育てた水菜を細かく切って塩もみしたものを巻いた。なかなかさっぱりと美味しい「恵方巻き」になった。数粒ずつだけど家中に豆も撒き、今年の節分は終了したのでした。実家ではおばあさんが柊に鰯の頭を刺したものを玄関なんかに飾っていたな。翌日鰯の頭だけは上手いこと無くなっていたのを思い出す。

そういえば、スーパーには山のように「恵方巻き」がならんでいた。

全国的に「恵方巻き」を食べることがメインになってしまったような気がする節分。

「恵方巻き」は全部売れたのかな、行方が気になったが、翌日には『ひなあられ』が沢山ならんでいた。

大塚 智穂



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