ナミめし/大塚智穂
2015年11月。
我が家にワンコがやって来た。
野良ワンコ出身の仔犬にナミ(♀)と名付ける。
ナミは我が家の一員となり家族になった。
ナミの両親は野良ワンコ。
なので、血統書はないが立派な野良ワンコということになる。
そのせいか、とてもたくましく、なんでも食べた。
そのころ干していた干し柿も、干した状態で下から順に食べられた。
食べ物ならまだいいが、目を離せば木をかじる。
歯が生え変わるから痒くてかじるのかと思っていたが、食べている。
棚や踏み台もかじられ、土壁もかじり、石まで丸呑みする始末。
図書館でしつけの本を何冊借りて読み、ナミは大丈夫だろうかと心配しながらも、とにかく愛情だけはタップリ注いで育てていこうと腹をくくる。借りた本の中に「ワンコの手作りフード」の本があった。数多くのレシピが載っており、与える量や、ワンコが食べてはいけないものなんかも書かれていた。
ナミが我が家に来た当初は生後2ヶ月くらいで、ホームセンターで市販のドッグフードを購入して与えてみた。とにかく丸呑みだったが、喉につまらせるほどのスピードで丸呑みしていたため、食べては足し、食べては足しを繰り返し、ナミが食べ終わるまでつきっきりとなった。ドッグフードにも色々と種類がある。半生から完全なドライフード、レトルトパウチや缶詰など。犬用のオヤツも、それはもう日本ならではの商品点数だなと感心するほどだった。そして色々と調べていくうちに、本当にドッグフードでいいのか?と思うようになり、「ワンコの手作りフード」の本を読み返していた。
私は日々、家族にはなるべく手作りで分かりやすい物を食べて欲しいと思っている。もちろん市販のお菓子や、たまにはインスタントの食品にだって手を出す。だから、無理のない範囲で自分に出来ることをするようにしている。ナミが我が家の一員となって早10ヶ月。色々試してきたナミめしも、量や配合がようやく安定した。
ある日のナミめし
・自家製鹿肉リゾット
・市販のカリカリ10%
・イリコ&鰹節の出し殻をカリカリに干したもの
ナミはいまだに木はかじりたがるが、石の丸呑みはしなくなった。今じゃ猫も犬も関係く、小さな子供にも優しくできるワンコに成長してくれた。
大塚 智穂
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