手前味噌/大塚智穂
小豆島に移り住むことを決めた2011年秋。田舎暮らし(実際住んでみると田舎という感じは全くなかった)をするなら、手作り出来るものは何でも挑戦することに決めた。
翌年の春には島での生活をスタートさせべく準備に取り掛かる。手作り出来るものって何があるかしらと調べ始め、ちょうど冬にはいっていたので、手作りの代表格「味噌」からやってみることに。
実家(豆腐屋)にあった保存食の本を読みまくり、さらにインターネットで「味噌・手作り」で検索し、いろいろな方の作り方を見て、「基本的に工程は同じだけれど、配合やら途中の工程やら人によるな…とにかくやってみよう!」と、実家への置き土産分と、小豆島へ持っていく花嫁道具ならぬ花嫁味噌の、併せて20キロ近くを仕込むことに。
豆腐屋なので大豆は山程あった。せっかくなので、豆腐用の岐阜県産の大豆と伯方の塩、スーパーで売っていた乾燥麹を使った。初めてでもやってみれば形になるもので、1年後にはなかなか美味しい初手前味噌が出来ていた。それからというもの、私の味噌作りは毎年恒例になり、次は材料選びをどうするか考えるようになった。なるべくなら地産地消がいいなぁと思い、小豆島→香川→四国→というように広げていくようにした。それは普段の食事でも同じように選んでいる。
私のお味噌はこの材料
・大豆
・麹(小豆島の神懸通にある森麹屋さん)
・塩(小豆島で40年ぶりに復活させた浪花堂さんの御塩/ごえん)
※消毒用に焼酎
大豆はいつも実家から送ってもらった岐阜県産、三重県産あたりを使っていたが、なんと、今年は小豆島の隣、豊島(てしま)の大豆が手に入った。豊島も船でしか行くことが出来ない島だが、住所は香川県小豆郡になる。そう、となり町にあたるので、一番近くで手に入った大豆ということになる。とうことで、今年のお味噌は超プレミアムなお味噌になった。
毎年じっくり熟成させるために冬ごろまで置いておくのだが、今年は1年を待たずして開けたみた。するとどうでしょう。なんとも美味しいお味噌が出来ているじゃないですか!
塩のカドもなく、まろやかで甘みがあり、作る回数も増えているのもあって固さも丁度いい。さっそくお味噌汁にしてみると、今までで一番美味しいお味噌ができていたのです。
お味噌の最終目標は、小豆島で育った大豆を使い、すべて小豆島仕込みのお味噌を作りたいと企んでいます。来年あたり、大豆を育ててみようかな。
大塚智穂
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