好気発酵のコンポスト その3/小坂逸雄

この日曜日の夜から月曜日いっぱい、小豆島は嵐のような大雨に見舞われた。でもそのお陰で先日、中途半端に湿らせたままだった稲ワラはしっかりと水分を含んでくれたようだということを、おっちゃんからのメールで知る。ボクもそれを少し期待をしていたところだったから安心したし、得をした気分だ。

その大雨の翌日の夕方。つまり火曜日。おっちゃんは時間の隙を見て次の工程である牛糞堆肥と尿素と米ヌカを、湿った稲ワラに混ぜるという作業をしたそうなのだが夕暮れを迎え稲ワラを半分残したところでタイムアップとなったらしい。しかし、ちょうど翌水曜日の朝はボクが作業の続きがでるタイミングだったので、そのバトンを受け取り作業ができた。

しっとりと湿った稲ワラは混ぜ物たちと良く馴染んでくれて気持ちがよかった。気温の低い朝だったけど、小さな容器に稲ワラを入れ、材料を入れ、そして混ぜ、ときには水を足しながらの作業は、中腰でやったこともあってなかなか汗をかいた。休み休みの作業だったけど、稲ワラや米ヌカの匂いはなんだか懐かしいような気持ちにさせてくれ終始心地良いものだった。初めてやる作業だったのに原点回帰している心地になったのが不思議だった。

作業は二時間ほどで終了。寒かったのと水を使ったのとで手がかじかんで、体感は真冬のようだ。こんなに冷たくて寒いのに、これらがそのうち70℃近い熱を発するらしいけど本当なのだろうか。身体の冷え具合からは信じがたいことだったが、翌朝おっちゃんから「7時30分現在、45℃。かなり臭気がキツいです」というメールが届いてドキドキした。臭気はアンモニア臭だそうだけど、どうやら順調そうだ。さてはて、どうなることか。ワクワクするけど、うまくいきますように。




小坂逸雄
東京出身、小豆島在住。
2020年4月現在、高松にて養蜂の修行中。

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