おじさまの資料/小坂逸雄

昨年六月に新岡山港で話しかけられて知り合ってから親切にしていただいている小豆島の西側に住むとあるおじさまは、島の東にある坂手に来ると、決まって手土産を片手にボクのいる事務所に立ち寄ってくれる。手土産というのは船の写真や絵、ポスターなどをパソコンで加工してつくったオリジナルのポストカードなどだ。先日いただいたコレクションはその数、50点以上(!)。おじさまはそのコレクションを「資料」と呼んでいる。とても古いものもあるその資料は、いったいどこで手に入れたのだろうか。この資料の好きなところは、絵のタッチや色づかいなどから伝わる時代感や船への想いなどのノスタルジー趣味ではなく、船だー!わーい!という無邪気さが随所から感じられるところだ。恥ずかしくなるくらい清々しく、うらやましいくらい真面目なのだ。写真のようなよくわからない設定や構図を持つポスターとかもあって、なんにせよ屈託がない。ぜひ現物を見てみたいものである。





小坂逸雄
東京出身、小豆島在住。
2020年4月現在、高松にて養蜂の修行中。

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