2020.06.21 13:05いつもの夕陽夕方、縁側から空がほんのり赤く染まっているのが見えたので、慌ててビールを注いだグラス片手に浜の方に出てみた。ちょうど夕陽が沈み出す頃だった。ここからの景色はいつ見ても最高だ。8年ぐらい見てるのだけれど、一向に飽きない。その代わりここからは朝陽が見えないんだよな。坊野 美絵
2020.06.21 10:19この春/小坂ひとみ6月3日 春が淡々と、過ぎた。 今年の春は世界中がめまぐるしく変化していたのではないかと思う。これほど長く一人きりになって生活していた期間は、私の今までの人生をふり返ってみても、ちょっとなかった。けれど心の中はずっと落ち着かず、6月が始まった今、ようやく少しおさまったというとこ...
2020.06.18 02:30起業 前編/岡村友章父は電気工事士として自営業を営んできた。僕が思春期のころに声変わりを済ませると、電話に出た相手は「社長ですか?」とよく間違えたものだった。父の生活を見続けてきた影響があるのかどうかはともかく、僕も同じくして自営業者に転身し3年が経った。今回は泥臭い起業のことについて書いてみたい。...
2020.06.16 08:37小豆島「本」通信 3 「愛すべき小さな同居人」/ 田山直樹ひょんなことから、島内に住む知人の猫を10日間程預かった。その知人夫婦は、僕とちょうど同じ時期に小豆島へやって来たということもあって、何度かお宅にもお邪魔させてもらっていた。そうした関係もあって、その知人が帰省するタイミングで僕に愛猫の御目付役という大任が回ってきたのであった。そ...
2020.06.14 15:02里芋の芽いよいよ、梅雨に入りジメジメとした日が続き出した。6月でこんなに蒸し暑かったら、今年の夏はどうなるんだろうか。家にいるとほんのり汗ばんできて、すでに熱中症になるんじゃないかと頭をよぎることがある。6月ってこんなに暑かったっけ?毎年言ってるような気もする。どよんと曇った空とは対照的...
2020.06.08 15:20皇踏山を歩く 今週末は久しぶりに皇踏山へ山歩きに出かけた。滝宮の登山口から2、30分歩けば、海の見える高台に着く。ここは気軽に登れるので、何度も来ている場所。高いところから眺めると、そういえば面白い形をしている島だった。どこかから聞こえてくる気がする。「ひょっこりひょうたんじ〜まっ」 子供...
2020.06.01 09:10掌編・夜間航行1 ずっと突き刺さって/小日向知子 右腕に杢がまたがり、左脇腹に拓が突き刺さっている。誰だろう、親子が「川」の字で眠るなんて表現した人は。これは「川」じゃなくて「小」だ。いや、もっと言えば「爪」だ。 ふたりの子どもに挟まれて眠る真紀は、いつもがんじがらめに固定され、寝返りも打てなかった。それどころではない。両側か...